UO:AoS導入から約2ヶ月――。
ギルド3gpには災害が訪れていました。
日夜、
PKに襲撃されていたのです。
あるPKが3gpギルドを襲撃したのが発端で、
そのPKによって日々被害が増えていきました。
狙われていたのは主に生産キャラに代表される非戦闘系メンバーで、
これによってギルド3gpでは対策の必要に迫られます。
既出どおり、
3gp内では対人練習を兼ねたスパー(模擬戦)をするメンバーがいたので、
そのメンバー中心にPKを撃退しようという方向で動き始めました。
彼らを3gpGMかがみんは、
PKB(PKバスターズ)と呼称しました。
職業はバラバラです。
メイジあり、
戦士あり、
魔法戦士あり、
テイマーありの、
混合軍団の上に、
集団的行動に慣れていなかったため、
PKをどうしてもうまく倒すことが出来ませんでした。
これは私個人の考えではあるのですが、
通常、
PKと1オンして勝てるかどうかはかなり微妙で、
こちらが2名、PK1名で五分、
こちらが3名、PK1名でややこちらに優勢、
という感じだと思います。
対人に慣れていなければ、
相手が1名でこちらが複数名いたとしても、
ゼッタイに負けます。
ここで言う「対人慣れ」というのは、
複数名による連携と受け止めてもらったもかまわないと思います。
UOの場合、
というよりはネットゲームの場合、
どうしても「発言」するには、
キーを打って文字を出すしかありません。
ということは、そのキーを打つ瞬間に隙が出来るわけで、
実際に戦闘中にそんな悠長なことは出来ません。
となれば。
仲間と一緒に戦っている時には、
事前に打ち合わせをして連携状態を決めておくか、
普段から連携を練習しておくか、
あるいは仲間の動きを読んでそれにあわせた動きをするか、
そのいずれかしかありません。
これは「狩り」でも同じことが言えるかもしれませんね。
いずれにせよ、
よほど慣れていないと無理と言えます。
このPK襲撃の際に、
3gp・PKB軍団はこの連携がうまく取れずに動きがばらばらで、
失敗するケースがありました。
相手にしてみれば、
こちらの動きがかみ合っていないので、
追撃を交わすのが容易なことはもちろん、
こちらを各個撃破していこうとし、
事実そのような形になりました。
「じゃあ、練習すればいいさ」
と言うのは簡単で…、
みなリアル事情があるうえでUOをプレイしているので、
プレイ時間はおろかログイン時間もバラバラです。
対人だけに集中してUOをプレイしているメンバーではないわけです。
PKやそれに準ずる対人者たちは、
定期的に対人練習をしているそうですが、
私には到底真似出来そうにないです。
これは最近よく聞かれる、
仮想WAR、TWARでもそうです。
集団を動かす、あるいはその中で動くには、
腕うんぬんかんぬんよりも、
指揮系統がどうなっているのか、
指揮官の管理把握能力はどうなのかが、
非常に大きなポイントになっている…、
というのは組織の大前提なわけです。
スポーツで言えばコーチ、監督、
仕事社会で言えば上司に当たる人が、
どれだけの人徳があり、
そしてそれに勝るとも劣らない非情さがあるかで
決まってしまう部分でもあると私は思うのです。
なおさら対人は、
「相手を殺す」行為が伴うので、
遺恨が生じますし、
またプライド意識が芽生え、
派閥意識(UOの派閥という意味ではないです)が生じます。
これは今までに何度も見てきました。
ゆえにそれらの個性の強いメンバーがまとまって、
なおかつまとめて行動するとなると恐ろしいほどのエネルギーが必要となります。
私はその一員になれない…、
と痛感しています。
考え方は様々なので一概に言えませんが、
ゲームでそこまでしたくない、
というのが本音です。
なので対人はいつまで経っても、
中途半端で下手なんでしょうね(笑)。
こういう考え、環境の中に身を置いているので、
必然的にフォード/女王の対人術は
自己流かつ個人芸にならざるを得ませんでした。
話を戻しましょう。
3gpアジト襲撃に来たPKに対して、
3gp内でも意見がいくつか出て、
そして意見のぶつかりに似たような議論がされました。
実は後に他のPKたちが3gpアジトを大々的に襲撃する、
ということが起こるのですが、
そのいずれの場合も、
みなは3gpGMかがみんを
信頼し頼っていました。
頼っている…というとネガティブな発想イメージがあるのですが、
決してそうではないです。
個々が皆それぞれの考えを持った中で、
でもGMかがみんがどういう判断をするかで動いていた、
という意味です。
この「年代記」で以前に、
フォードが最初のギルドに入った話を紹介した回がありました。
私はそこで…、
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ギルドマスターの存在を
言葉で説明しようとし始めれば、
キリがありません。
強いて言うなら、
いなくてもその存在が確実であるのがギルドマスターではないか?
と思っています。
これは、現在女王が所属している「3gp」というギルドの、
ギルドマスターKagami氏を
見てから思うことです。
私見で恐縮ですが。
彼のログイン時間は現在限られ、ギルドメンバーとの
コミュニケーションも少なくなってはいますが、
メンバーは全員、いざというときは彼の存在を感じ、
彼に頼ります。
また彼もそれに応えます。
それを言葉にするなら、
「信頼」だと思うんですね。
これに関する内容は、のちの「PKギルドの襲撃!」編で語ります。
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と話していました。
ここで述べていたように、
GMかがみんのログイン時間はリアル都合のため、
現在ほとんどないです。
イコール、
他のメンバーとの交流も非常に限られています。
この時もそうでした。
それでもメンバーは彼に状況をHPのBBSなどで伝え、
その上で彼は提案をし、
皆はそれに自然に従っていました。
そして相手側のギルドHPのBBSに出向き、
自分が何者であるか、
3gpは対人ギルドではないこと、
襲撃しに来ているPKの名前を出し、
これ以上の襲撃はやめてくれと、
正面から申し出をしました。
もちろん…、
この申し出は、
ほとんど撥ね付けられた形で終わりました。
これは予想された出来事だったので、
GMかがみんはその一方でメンバーに、
襲撃の際にはアジトにいないこと、
交戦しても構わないが出来れば移動して無視の形で、
という提案を皆にしました。
普段はバラバラで、
各自が好きなことをしているギルド3gpは、
このPK襲撃という災害に対して、
GMかがみんを中心にまとまり、
この困難を乗り越えることになります。
私はこの時の経験で、
「ああ、自分にはギルドを作って、
そこでマスターは無理だ」
と痛感しました。
3gpを見てしまいました。
かがみんを見てしまいました。
この後に
私が出会ったギルドマスター、
LANギルド・Maruko、
BOSギルド・Lonar、
HarfTimeギルド・Rydeen、
彼らを見た時にも同じような気持ちにさせられました。
彼らのような行動力、人格、そして責任感は、
私は到底持ち合わせていません。
「そんなのやってみないとわからないよ!」
と言われたこともあったのですが、
やはり踏ん切りもつかず覚悟も出来なかった…、
というのが偽らざる心境です。
3gpGMかがみんの抗議にもかかわらず、
相手方のPKギルドの攻撃はやみません。
そこで女王は一計を案じ、
行動に移しました。
それは…。