Episode 18
The Moon



一筋の希望の光では不安で、
不気味な夜が続いていることを表す。
不安を抑えるために、
幻想的な月の明かりを求めることを象徴。

ストレス、情緒不安定、不安などを意味する。
正位置・・・パワフル、結婚、子供、明るい関係、人の上に立つ
・逆位置・・・やる気がでない、体力・精神力が低下気味、平凡、働きすぎ、妊娠・流産に注意   

<The Fencer Queen's Chronicles.>


UO:AoS導入から約2ヶ月――。
ギルド3gpには災害が訪れていました。
日夜、
PKに襲撃されていたのです。



あるPKが3gpギルドを襲撃したのが発端で、
そのPKによって日々被害が増えていきました。
狙われていたのは主に生産キャラに代表される非戦闘系メンバーで、
これによってギルド3gpでは対策の必要に迫られます。

既出どおり、
3gp内では対人練習を兼ねたスパー(模擬戦)をするメンバーがいたので、
そのメンバー中心にPKを撃退しようという方向で動き始めました。
彼らを3gpGMかがみんは、
PKB(PKバスターズ)と呼称しました。
職業はバラバラです。
メイジあり、
戦士あり、
魔法戦士あり、
テイマーありの、
混合軍団の上に、
集団的行動に慣れていなかったため、
PKをどうしてもうまく倒すことが出来ませんでした。



これは私個人の考えではあるのですが、
通常、
PKと1オンして勝てるかどうかはかなり微妙で、
こちらが2名、PK1名で五分、
こちらが3名、PK1名でややこちらに優勢、
という感じだと思います。
対人に慣れていなければ、
相手が1名でこちらが複数名いたとしても、
ゼッタイに負けます。


ここで言う「対人慣れ」というのは、
複数名による連携と受け止めてもらったもかまわないと思います。


UOの場合、
というよりはネットゲームの場合、
どうしても「発言」するには、
キーを打って文字を出すしかありません。
ということは、そのキーを打つ瞬間に隙が出来るわけで、
実際に戦闘中にそんな悠長なことは出来ません。


となれば。
仲間と一緒に戦っている時には、
事前に打ち合わせをして連携状態を決めておくか、
普段から連携を練習しておくか、
あるいは仲間の動きを読んでそれにあわせた動きをするか、
そのいずれかしかありません。


これは「狩り」でも同じことが言えるかもしれませんね。
いずれにせよ、
よほど慣れていないと無理と言えます。


このPK襲撃の際に、
3gp・PKB軍団はこの連携がうまく取れずに動きがばらばらで、
失敗するケースがありました。


相手にしてみれば、
こちらの動きがかみ合っていないので、
追撃を交わすのが容易なことはもちろん、
こちらを各個撃破していこうとし、
事実そのような形になりました。


「じゃあ、練習すればいいさ」
と言うのは簡単で…、
みなリアル事情があるうえでUOをプレイしているので、
プレイ時間はおろかログイン時間もバラバラです。
対人だけに集中してUOをプレイしているメンバーではないわけです。


PKやそれに準ずる対人者たちは、
定期的に対人練習をしているそうですが、
私には到底真似出来そうにないです。
これは最近よく聞かれる、
仮想WAR、TWARでもそうです。


集団を動かす、あるいはその中で動くには、
腕うんぬんかんぬんよりも、
指揮系統がどうなっているのか、
指揮官の管理把握能力はどうなのかが、
非常に大きなポイントになっている…、
というのは組織の大前提なわけです。


スポーツで言えばコーチ、監督、
仕事社会で言えば上司に当たる人が、
どれだけの人徳があり、
そしてそれに勝るとも劣らない非情さがあるか

決まってしまう部分でもあると私は思うのです。


なおさら対人は、
「相手を殺す」行為が伴うので、
遺恨が生じますし、
またプライド意識が芽生え、
派閥意識(UOの派閥という意味ではないです)が生じます。
これは今までに何度も見てきました。
ゆえにそれらの個性の強いメンバーがまとまって、
なおかつまとめて行動するとなると恐ろしいほどのエネルギーが必要となります。


私はその一員になれない…、
と痛感しています。
考え方は様々なので一概に言えませんが、
ゲームでそこまでしたくない、
というのが本音です。
なので対人はいつまで経っても、
中途半端で下手なんでしょうね(笑)。


こういう考え、環境の中に身を置いているので、
必然的にフォード/女王の対人術は
自己流かつ個人芸にならざるを得ませんでした。





話を戻しましょう。


3gpアジト襲撃に来たPKに対して、
3gp内でも意見がいくつか出て、
そして意見のぶつかりに似たような議論がされました。


実は後に他のPKたちが3gpアジトを大々的に襲撃する、
ということが起こるのですが、
そのいずれの場合も、
みなは3gpGMかがみんを
信頼し頼っていました。
頼っている…というとネガティブな発想イメージがあるのですが、
決してそうではないです。
個々が皆それぞれの考えを持った中で、
でもGMかがみんがどういう判断をするかで動いていた、
という意味です。





この「年代記」で以前に、
フォードが最初のギルドに入った話を紹介した回がありました。
私はそこで…、

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ギルドマスターの存在を
言葉で説明しようとし始めれば、
キリがありません。
強いて言うなら、
いなくてもその存在が確実であるのがギルドマスターではないか?
と思っています。

これは、現在女王が所属している「3gp」というギルドの、
ギルドマスターKagami氏を
見てから思うことです。
私見で恐縮ですが。
彼のログイン時間は現在限られ、ギルドメンバーとの
コミュニケーションも少なくなってはいますが、
メンバーは全員、いざというときは彼の存在を感じ、
彼に頼ります。
また彼もそれに応えます。
それを言葉にするなら、
「信頼」だと思うんですね。
これに関する内容は、のちの「PKギルドの襲撃!」編で語ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と話していました。
ここで述べていたように、
GMかがみんのログイン時間はリアル都合のため、
現在ほとんどないです。
イコール、
他のメンバーとの交流も非常に限られています。


この時もそうでした。


それでもメンバーは彼に状況をHPのBBSなどで伝え、
その上で彼は提案をし、
皆はそれに自然に従っていました。


そして相手側のギルドHPのBBSに出向き、
自分が何者であるか、
3gpは対人ギルドではないこと、
襲撃しに来ているPKの名前を出し、
これ以上の襲撃はやめてくれ
と、
正面から申し出をしました。




もちろん…、
この申し出は、
ほとんど撥ね付けられた形で終わりました。
これは予想された出来事だったので、
GMかがみんはその一方でメンバーに、
襲撃の際にはアジトにいないこと、
交戦しても構わないが出来れば移動して無視の形で、
という提案を皆にしました。





普段はバラバラで、
各自が好きなことをしているギルド3gpは、
このPK襲撃という災害に対して、
GMかがみんを中心にまとまり、
この困難を乗り越えることになります。


私はこの時の経験で、
「ああ、自分にはギルドを作って、
そこでマスターは無理だ」

と痛感しました。


3gpを見てしまいました。
かがみんを見てしまいました。


この後に
私が出会ったギルドマスター、
LANギルド・Maruko
BOSギルド・
Lonar
HarfTimeギルド・
Rydeen
彼らを見た時にも同じような気持ちにさせられました。


彼らのような行動力、人格、そして責任感は、
私は到底持ち合わせていません。
「そんなのやってみないとわからないよ!」
と言われたこともあったのですが、
やはり踏ん切りもつかず覚悟も出来なかった…、
というのが偽らざる心境です。





3gpGMかがみんの抗議にもかかわらず、
相手方のPKギルドの攻撃はやみません。


そこで女王は一計を案じ、
行動に移しました。
それは…。




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